麻(布・繊維)の中でもヘンプの優れた特性

ヘンプを使う理由

昨今の環境問題は、先延ばしする事無く今すぐに対応していく必要があると考えています。

ヘンプは、麻の中でも抗菌性・消臭性に優れているうえ、農薬に頼らずに育つ1年草です。すべての部分が利用可能な上、土壌改良までするという素晴らしい植物で、化石燃料などの枯渇性資源にたよらない循環型社会に貢献できる奇跡の植物です。

この植物の需要が少しでも増える事に寄り、地球環境が改善されること、また多くの方々にヘンプの理解を深めて頂きたいということからこの素材で商品開発をするに至りました。

日本で麻と言われているのは、ほとんどがリネンやラミーでヘンプでないことがほとんどです。リネンやラミーは化学肥料を通常使用します。また、ヘンプは古来から日本人と共生してきた植物で、神事に欠かすことのできない神聖な植物です。

天皇陛下が即位される大嘗祭麁服「あらたえ」は、天皇陛下が即位される大嘗祭でお召しになる、儀式のための衣です。古代より「麁服(あらたえ)とは、阿波忌部直系氏人の御殿人(みあらかんど) が、天皇陛下が即位後、初めて行う践祚大嘗祭の時にのみ調製し・ 調進(供納)する「大麻(おおぬさ・ヘンプ)の織物」を云います。また、伊勢神宮の神札は「神宮大麻」と呼ばれ、1873年(明治6年)の伊勢神宮少宮司浦田長民の説明によれば、罪を払い除けする神具である大麻(おおぬさ・ヘンプ)の頒布であるとされています。

戦後、日本はこの万能で日本人と切っても切り離せない神聖な植物の栽培を禁止されてしまいましたが、阿波忌部の末裔である三木家によってのみ、麁服「あらたえ」を作ることが許されています。

 

麻(布・繊維)の中でもヘンプの優れた特性

麻とは?

日本語で麻繊維はアサ科アサ属の大麻(学名Cannabis sativa)から作られた繊維を指す名称でした。古代から日本に自生し繊維利用の盛んだった植物Cannabis sativaを麻と呼称していましたが、後に海外より持ち込まれたアマ科の亜麻(Linum usitatissimum)やイラクサ科の苧麻(Boehmeria nivea var. nipononivea)などを含めた植物繊維全般を指して「麻」の名称を使うようになったため、本来の麻Cannabis sativaを植物の背丈が大きく成長する特徴から、大麻(おおあさ、たいま)と区別して呼称するようになったとされています。現在日本で麻の名称で流通している繊維のほとんどは亜麻(学名Linum usitatissimum)から作られるリネンです。また、日本で麻の名称で流通させて良い繊維は亜麻と苧麻のみであり、本来の麻(大麻)は指定外繊維となります。

-Wikipediaより-

 

麻の歴史

麻の歴史は非常に古く、紀元前10,000年にエジプトでは既に麻が栽培され、麻布が造られていました。 紀元前2,000年にはエジプト王の墓に、麻栽培についての壁画もあり、またエジプトのミイラが麻布で包まれていることも確認されています。 19世紀頃には、全繊維消費量の1/3位を麻が占めていたようです。 日本では、飛鳥・奈良時代に、特にラミー(苧麻[ちょま])が衣料として愛用されていたことが日本書紀等にも記されています。麻は、人類と共に生まれ人類と共に生き続ける天然繊維-おそらく最も長い歴史と生命をもっているといえます。

 

麻の種類

英語においては、日本語でいう総括的な「麻」という語は無く、Ramie=「苧麻」・Linen=「亜麻」・Hemp=「大麻」・Jute=「黄麻」などに区別されています。

麻の種類は、約20種類以上になりますが、下記の表のように代表的なものだけでも、相当な数があります。このうち衣料用としては、ラミーとリネンが代表的です。日本の家庭用品品質表示法において、「麻」と表示できるのは、ラミーとリネンに限ると明示されています。その他の麻については、「指定外繊維」という表示になります。ロープ用としては、マニラ麻、サイザル麻、黄麻、大麻等があります。

 

名称 種別 短繊維長mm
太さμm
主な産地 用途
苧麻
(ちょま)
Ramie ラミー
からむし、まお
蕁草科
(イラクサカ)
(多年生)
70~250mm
18~30μm
中国、フィリピン、マレーシア、ブラジル 衣料、寝装、資材
亜麻
(あま)
Flax、Linen リネン 亜麻科
(アマカ)
(一年生)
20~30mm
15~19μm
中国、ベルギー 衣料、寝装、資材
マニラ麻 Abaca アバカ 芭蕉科
(バショウカ)
(多年生)
3~10mm
10~20μm
フィリピン ロープ、帽子、ひも
サイザル麻 henequen ヘネケン 石蒜科
(セキサンカ)
(多年生)
3~10mm
10~20μm
フィリピン、メキシコ ロープ、ひも
黄麻
(こうま)
Jute ジュート 田麻科
(シナノキカ)
(一年生)
1~4mm
15~25μm
中国、インド、バングラディシュ 麻袋、カーペット基布、ヘッシャンクロス
大麻 Hemp ヘンプ 桑科
(クワカ)
(一年生)
15~25mm
16~25μm
中国、フィリピン、イタリア 衣料、ロープ
ケナフ Kenaf  ケナフ 洋麻科
(ヨウマカ)
(一年生)
2~6mm タイ、インド、中国 壁材 、パルプ代用品

出典:トスコの資料より

 

ヘンプVSラミーVSリネン

  ヘンプ(大麻) ラミー(苧麻) リネン(亜麻)
概要 桑科の1年草で、雌雄異株の双子葉植物。「麻」という言葉は、日本では古くから大麻のことをさしており、広い意味では、大麻に類似した繊維を取る植物やその繊維のことをいう。 イラクサ科に属する宿根性の多年生の草木類である。苧麻は2種類に大別され、1種は葉の裏に白毛を密生する白葉苧麻種であり、もう1種は葉の裏に毛は無い緑葉苧麻である。古くから「からむし」「まお」「からそ」と呼ばれており越後上布、小千谷縮、能登上布、近江上布、奈良晒布、宮古上布、八重山上布などと称され愛好されていた。大正時代に中国から多量輸入され品種改良されるようになってから「苧麻」と呼ばれるようになった。 リネンは亜麻科の一年草である。その植物の靱皮から採った繊維をフラックスといい、フラックスで作った糸や布をリネンという。フランス語ではラン(Lin)イタリア語ではリノ(Lino)ドイツ語ではライネン(Leinen)という。
繊維の特徴 ●ラミーやリネンよりシャリ感があり、肌触りが涼しい。
●繊維構造が中空のため、吸湿、吸汗性がある。
●引張り強度で綿の8倍、耐久性で4倍の強度を持つ。
●通気性に優れている。
●天然繊維の中では、最もシャリ感がある
●涼感があり、腰がある
●水分の吸収・発散性に優れている
●色は白く、絹のような光沢がある
●強い洗いにも耐え洗濯で汚れが落ちやすく、清潔さが保持できる。又、水に濡れると繊維強力が向上するので洗濯回数の多い夏期に適している。
●風合いはしなやかで綿に近い
●涼感は、ラミーに次ぐ
●水分の吸収・発散性は、ラミーに次ぐ
●色はリネン特有の黄味がかった色(亜麻色)がある。白度、光沢はラミーに次ぐ
●強力は、ラミーに次ぐ
欠点 ●太い短いのバラツキが多い繊維なので、紡績して糸にするのが難しい。
●粗硬な素材なので、糸ネップやスラブが生じやすい。
●繊維が粗硬なので肌をチクチク刺激する。 ●鮮明に染まり難く均一な染色が難しい。場合によっては未染着部分ができてしまう問題が発生する。
●収縮・変形し易い。
●皺がつき易い。
繊維の長さ・太さ ●5~55mm
●16~50ミクロン
●70~250mm
●18~30ミクロン
●20~30mm
●15~19ミクロン
栽培期間  100日〜120日*輪作可能
(*輪作:地力の維持と病虫害をさけるため,同じ土地に生態的性質の異なる作物を一定の期間を置いて周期的に栽培すること。)
 100日〜120日
(その後5〜7年休耕地に)
 2〜3年
農薬  不要  通常使用  通常使用
気候条件  冷帯・温帯・熱帯を問わず栽培可能  冷帯で栽培可能  熱帯・温帯で栽培可能
吸収率  24%  18%  24%
発散率  100%  88%  100%
抗菌性  99%  80%  —
紫外線防止指数  50(非常によい)  5  25(良い)
強力[乾](g/d)  6.3~8.7 g/d  5.6~6.3 g/d  6.5 g/d
植物図  ヘンプ
hempoil_r14_c9
ラミー 
2009112184954621
リネン 
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*ヘンプは、抗菌性と紫外線防止に優れ、さらに無農薬で育つ地球環境に優しい植物です。 

ヘンプ栽培の状況 

ヘンプ栽培解禁国 1993年 イギリス
1994年 オランダ
1996年 ドイツ、オーストリア
1998年 カナダ
2002年 オーストラリア、ニュージーランド
第二次世界大戦後の栽培国 社会主義国 中国、ロシア、ハンガリー、ルーマニア、北朝鮮など
資本主義国 フランス、韓国
規制国 許可制 日本
栽培禁止 アメリカ

出典:ヘンプがわかる55の質問

 


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