必須脂肪酸とヘンプオイルをより良く理解するために、皮膚の構造とさまざまな働きについてみてみましょう。
皮膚は、感覚器官や体温の維持としての役割だけでなく、過度な水分の損失を防ぎ、最近やウィルスの病原体や異物の侵入を防ぐバリアとしての重要な機能をもっている。スキンケア化粧品のもっとも重要な機能は、皮膚のバリア機能を回復させ、それを保持し、さらに強くする事である。
健康な皮膚は、皮膚組織にある水分量によって決まる。健康な皮膚は、水分量が多く弾力があるが、弱った皮膚や老化した皮膚は、水分量が少なくかさかさしている。水分量の保持は、約0.2ミリの皮膚表面の薄い層である表皮によって行っており、水分の発散を防いでいるのは、表皮の一番外側にある角質層である。表皮では、基底細胞で、細胞増殖が行われ、新しく生まれた細胞は、古い細胞を押し上げ、押し上げられた細胞は、最後に皮膚表面の角質層から垢として剥離する。表皮の細胞は、約28日で角質層を形成し、それからまた14日ほどで自然にはがれ落ちる「角化」を常に繰り返している。これがよく耳にするターンオーバーである。
表皮細胞は、ステロール、脂肪酸そしてセラミドなどの脂質にくっつき、異物の出入りを防ぐバリアの役目がある。バリアの機能が低下すると、水分も保持できなくなり、皮膚が乾燥するようになる。このバリアの弱体化は、太陽の紫外線による皮膚刺激、乾燥した空気による脱水、石けんなどの洗剤の過度な使用や有機溶剤の使用による脂質の減少などで引き起こされる。
老化や糖尿病による細胞の代謝力の低下も、バリアが弱体化するもうひとつの要因だが、それは、表皮細胞の脂肪酸組成の変化によって起こる。脂肪酸組成の変化により皮膚が薄くなり、皮膚からの水分損失を加速させる結果、乾燥してざらざらした傷つきやすい皮膚になってしまうのである。この脂肪酸組成の変化は、主にγ-リノレン酸の不足により引き起こされる。
細胞を固めているセラミドは、バリアを維持するために非常に重要な物質で、必須脂肪酸であるリノール酸からつくられる。細胞膜の脂肪酸組成の変化による表皮の基底細胞での代謝や細胞増殖の低下は、セラミド含量の減少につながる。
つまり、乾燥肌を治し、皮膚の老化を防ぐためには、γ-リノレン酸とリノール酸を補給する必要がある。リノール酸は、通常の食事で十分に摂取しているのでとくに補給を気にしなくて良いが、γ-リノレン酸は、意識して補給する必要がある。
γ-リノレン酸を補給するには、γ-リノレン酸を2〜4パーセント含むヘンプオイルを食事の形で摂取するか、ヘンプオイルをつかった化粧品を毎日使用することだ。γ-リノレン酸やα-リノレン酸、EPAを補給することで、アトピー性皮膚炎やほかの多くの皮膚障害が改善されるという研究報告がある。
ヘンプオイルには、他のオイルには含まれていない、γ-リノレン酸を含んでいます。
割合こそ2~5%と少ないのですが、非常に重要な役割を果たす脂肪酸で、母乳、月見草油、ボラージ油、クロスグリ 油、などに含まれる希少な成分です。
γリノレン酸は「生理活性物質」の材料になる脂肪酸です。
「生理活性物質」とは、微量でからだの機能に何らかの作用をもたらし、身体の働きを調節する役割をもった物質のこと。酵素やホルモンなどがそれに当たります。
■γ-リノレン酸の効能
リウマチ、血圧・血糖値、コレステロール値を下げる、糖尿病、血栓予防、PMS症状、ホルモンバランス調整、免疫賦活、髪と爪の成長、アレルギー症状の暖和など
皮膚などにおいては、角質層の水分調整、バリア機能を正常に保つ働きがあります。
γ-リノレン酸は、体内で合成できる脂肪酸なのですが、加齢や糖尿病からくるインスリン不足で、合成能力が弱まります。十分なγ-リノレン酸を補給するために、小さじ1~2杯を摂るのがおススメです。
ヘンプオイルで、健康で美しくなりましょう!